2011年8月4日木曜日

財政,金融←債務による緊縛プレイ

「景気」は放っておくと,好況―不況の間を大きくいったり来たりします。

不況が大きくなるのは嫌ですね,もちろん。職を失って,人々が不幸になります。
かといって,好況過ぎるのもよくない。物価がバンバン上がってしまう恐れがあります。

だから,政府は景気の変動をある程度のレンジに抑える必要があります。

そのための政策として
1.財政政策
2.金融政策
があります。


まず1.財政政策。
不況の時,
政府は「公共事業」だ「減税」だとお金を使います。
ようするにそれです。

2.金融政策
これは要するに金利の操作です。
これは内閣ではなく,中央銀行(日本なら日銀)が担当しています。
一般的な方法としては例えば,
日銀が銀行の持つ国債を買い取る

銀行お金ジャブジャブになる。
「現金で持っていても儲からないから,企業に借りてもらいたいなぁ」

銀行「企業さん,工場を新しく建てませんか。あなたの所にお金貸したいんだけど」

企業「そう言われてもなぁ…このご時世に金利3%はちょっと無理だなぁ(´Д`)」

銀行「(企業さんには,少し金利下げてでも借りて貰った方がいいよね。貸さなかったら一銭も金利入ってこないし)」「じゃあ2%にしますから借りてくださいよ(´・ω・`)」

企業「よし,それなら借りられる。工場建てるのでお金貸してください。」

工場建てる

工場建てた会社(建設会社など)が儲かる

景気よくなる

こんなことを目指してるわけです。
実際の所,不景気に工場を建てる人はいないので,あまり効果が無いと主張する人たちもいます。


本来は財政政策と金融政策両方をバランス良く用いる(ポリシー・ミックス)のがベストなのですが……

リーマンショック後,世界中の政府がお金をダバダバ流してきました。
例えばアメリカはリーマンショック後の対策用に,なんと70兆円も用意しました。
日本でも「第○次補正予算」とかいって麻生政権から何度もお金を積み上げています。

お金たくさん借りて,それで財政政策やっていましたが,借金があまりに多くなってきたので,
「これはまずいんちゃうか」と,なるわけです。

だから財政政策はあんまりやりたくない。

そうすると必然的に,金融政策に頑張ってもらうことになるのですが……

現状は,お金のだぶついた銀行(というよりも様々な機関投資家など)が
値上がりを見込める原油や食料などを買いあさって値段を爆発的に上げてしまっているという状況です。

この状況で,更にカネを経済に注ぎ込め言われたら……さて…………

2011年7月30日土曜日

金(カネ/gold)に価値はあるのか?

端的に言うと,もちろんある。
でもそんな単純な話じゃない。

今朝の「日経PLUS1」(土曜付録)の,
小さい子向けニュース解説が「ゴールドの価格上昇」についてだった。
そこから着想を得た。

今日のお話に出てくる【金】は「カネ」「gold」と分記します。




goldってなんで価値があるの?
それはね…年間の産出量が少なく一定で,さびず,ずっと綺麗だから。

そして昔は「兌換紙幣」といって,カネはgoldや銀との引換券としての役割があった。
つまり,カネの本質的な価値は,goldや銀にあるのだ,と。

1.カネ=gold
2.gold=価値がある

つまり,
カネ=価値がある

という論理が成り立つわけですね(文系的正しい数学の使い方)。


でもね,今,どこの国もgoldとの一定率での交換を約束していないでしょう?

この時点で,
さっきの
1.カネ=goldが成り立たなくなるわけです。

ちなみに,
2.gold=価値がある
こちらも大変不思議。
「年間の産出量が少なく一定で,さびず,ずっと綺麗」だとなぜ価値があるのか?
真珠やダイヤの年間産出量は知らないけど,それらでもよくない?
goldなんて食えないし。使えないし。

そもそも大昔,貝殻をカネ代わりに使っていたわけだし。

でもカネにgoldも,価値あるじゃん(・ε・)



カネには
・価値の貯蔵
・価値の尺度
・交換の媒体
これらの機能がある。
要するに,これらが満たされていればgoldだろうが銀だろうが,紙切れだろうが貝殻だろうが,なんでも良いのです。

つまり,
「何か上の役割を果たせる物がないと困るよね。
便宜上,goldやカネを上記の役割を果たすための道具としよう」

そうして,
「goldやカネを持って行けば,みんなが自分の欲しい物と交換してくれる」
から,価値が発生するのです。

決してgoldやカネ自体に価値があるわけではございません。




【追補資料】
例えば,
goldが100gと,米が100gしか存在しない世の中を考えてみる。
単純に考えれば交換比率は
gold:米=1:1
つまり,goldを1g持って行けば,米1gと交換してもらえる。

そこで王様は考えました。
「goldを新しくいっぱい採掘すれば,俺の財産減らすことなく,米がいっぱいもらえるんじゃね?」

金(gold/カネ)が交換のための道具でそれ自体が価値を持たないのなら,
goldをいっぱい採掘したら,gold1gと交換できる物の量は少なくなってしまう。
それを理解しない王様は,新たにgoldを100g採掘させた。

するとどうなるか

goldが200gと米100gで釣り合わせるには
gold:米=2:1
つまり,goldを2g持って行かないと米1gもらえなくなった。

要するに,「ハイパーインフレ」ですね。物価が2倍に跳ね上がったわけですから。

……昔,スペインの王家がこれに近いことをやらかしたから困る(当時は銀だったが)。
(ファーガソン 2009, pp.39-40)

「施政者が頭悪いと,苦労するの国民だよね(´・ω・`)」って先生と話しておりましたw


【参考資料】
ニーアル・ファーガソン(2009)『マネーの進化史』,早川書房

2011年7月27日水曜日

米国債と,デフォルトと,円高

1ドル=77円63銭(記事うp時/bloomberg)という記録的な円高水準になっている。

数年前には100円,120円という水準であったから,恐ろしい水準だ。


日本は経常収支黒字,アメリカは経常収支赤字だから当然,基調的な要素もあるだろう。
しかし急激な円高はそれだけでは説明がつかない。

最近の原因はずばり

“米国債デフォルトの懸念”
だ。

どういうことなのか。



アメリカは法律で「借金は14兆2900億ドルまでですよ」と上限が定められている。
その借金の総額が上限に達するのが今年の8月2日なのだ。

上限を超えると,借金が出来なくなる。すると何が困るか。
政府は要するに自転車操業状態だから,新しく借金が出来ないということは,
昔借金したお金(利子も)を返せなくなるということを意味している。

借金を返済できないことをデフォルト(=default/債務不履行)という。






アメリカ国債は世界中の銀行・保険会社・証券会社・その他機関投資家,あるいは政府や中央銀行が“世界一安全な資産”として保有しているから,
もしも「返せませんわ~」なんてなったら,リーマンショックを強化した感じで大混乱が起きかねない。

 またアメリカにとっても,自国の信用に傷が付いては今後も末永くお金を貸してくれない自体になりかねない。



「だったら借金の上限を取っ払っちゃえば良いんじゃない?ただのルールなんだし」

仰る通り。しかし小さな政府を志向する共和党 がそれを渋り,現在,民主党や政府と話し合っているのだ。

「いや,でもね,さすがにデフォルトはまずいから,最後には妥協して借金の上限を引き上げるだろう」

と世界中のみんなが思っていた。思っていたのだが…どうやら雲行きが怪しくなってきた。
どう見ても死亡フラグです本当に(ry
(ちなみにテスト期間にこんなこと書いてる私も死亡フラグびんびん)



みんな「おいおい大丈夫なのか?」と不安になり ,ドルを売り,安心安全な円を買い始めた。
まぁ,日本はデフレ(物価が下がり,お金の価値が上がる)だから,「円」持ってるだけで得だしね。




ところで,アメリカ財務省は国債の信頼性を維持するために,
「もし債務上限に到達しても,利子や元本のお支払いのため,入ってきた税金を優先してそっちに回します」

と言っているのだが……
「こんなことやってるようではねぇ……」
米国債・米政府に対する信頼が揺らぐことは確実だ。

2011年1月3日月曜日

アトム化とコミュニティーの重要性について

面倒なのでこのようなネタはmixi日記に書き続けていた。たまにはこちらにも書いてみようかと。

政治哲学の授業中にエネルギー補給(睡眠)してる俺が知ったかぶりで語ってみるよ!


○豊かになっていく過程で、アトム化は仕方なかった?
・都会へ出ていく(核家族化)、過疎化
→伝統的な相互扶助(地縁、血縁)ネットワークの破壊
(豊かになって他者に頼らなくても生きていけるようになった)


○いまはそのネットワークの一部を政府が肩代わり
 ・今後は金なくなって無理?
 ・いまでも不完全(画一的な制度で全員を満足させるのは無理)

→共同体の再構築
  家族(社会の最小構成単位)、親戚、地域社会(近所付き合い)を大切に
→ネットワークを維持する正月、お盆、結婚式、葬式、地域のお祭りなどが重要

失敗したら…
・重税国家
・全体主義
・ファシズム

さて,私には何が出来るのだろうか。。

2009年5月4日月曜日

左翼(笑)

新聞に「愛知県平和委員会」というワードがあったので調べてみた。

愛知県とは何も関係なかった。
なんか聞いたことある。「ピース・あいち」

http://peace-aichi.net/modules/bases/

> 空中給油輸送機の主な目的・機能は、戦闘機に空中で燃料補給して戦闘機の飛行時間を延ばすことで攻撃能力を格段に強化でき、制空権を確保し攻撃範囲や海外派兵を拡大できることです。


制空権の確保=海外派遣の拡大……?
えーっと………



> さらに、空中給油輸送機4機配備されれば、(中略)インド、モスクワまで飛べるのです。

……で?

>空中給油輸送機の導入は、北朝鮮をはじめとするアジア各国への攻撃を可能にします。

……だから?

>墜落事故が起きたら大惨事 現在の消防能力ではムリ!
>9・11米テロ事件や中華航空機墜落事故が示しているように、市街地にある名古屋空港で墜落事故が起きたらと、想像するだけで寒気がしてきます。空中給油輸送機が墜落したら、県内の消防能力を最大発揮しても消火・救助は難しいといわれています。

じゃあ消防能力強化したら?←
てかそもそも名古屋空港の周りって市街地だっけ?なんかだだっ広かった記憶があるんですが←

2009年3月19日木曜日

原油相場の動向と日本経済

現況
WTI(West Texas Intermediate)はアメリカ・テキサス州で産出される原油で、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引される先物価格が原油価格の世界的な指標となっている。
普段、WTI価格は北海産ブレンドやドバイ産原油などよりも若干高くなっているが、先日までWTI価格が異常に低い数値を付けていた。
WTIの現物の引き渡しはオクラホマ州のクッシングで行われるのだが、そこの在庫が異常に増えたためだ。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの『原油リポート』2009年3月11日号は、それらの在庫調整は一巡し(いまだここ数年で最高水準だけど……)、中国の景気対策などによって原油需要が少しずつ復活し、原油価格は徐々に持ち直していく可能性を指摘している。

また、中国はこの不景気を逆手にとって、原油貯蔵を増やしているとされている。
建造した貯蔵タンクを、原油価格が低いうちに満たしてしまおうという考えなのだろう(たしかソースは『フォーサイト』)。

実際、現在のWTI先物の1ヶ月物が40ドル台後半なのに対し、24ヶ月物は62ドル、さらに一年延びると66ドル、さらに一年で70ドルとなっている(NYMEXのウェブサイト参照)。

日本経済
2007~8年夏を見ればわかるように、原油価格が上がると、油だけでなくあらゆる物価が上昇する。
つまり、今後日本が速やかな景気対策に失敗した場合、スタグフレーション(=景気が悪いのに物価が上昇する)になりかねない。

通貨とはその国に対する信任である。
日本は円が安くなると喜ぶが、不景気から脱せられず、原油高がそれに追い打ちをかければ円は確実に安くなる。それが原油の輸入価格をさらに上昇させることになり、最悪の循環となるだろう。

そうなったとき、生き残れるのは国内ではなく国外にウケの良い技術、特に濾過膜や鉱物探査、金属、高炉など、特殊な<技術>を持った企業だけに……

2009年2月24日火曜日

戦争とは

戦争、というか軍事力は外交の手段の一つなんです。
アメリカでは外交方針はNSC(国家安全保障会議)で国防総省や国務省が外交方針を話し合うんです。不思議に見えるかもしれんけどね。

ついでに言っておけば、自衛隊はさっさと国防軍にするべき。
国連憲章の理念に則って自国と世界の平和と安定を守るためにね。

国連憲章の第7章には
「調子に乗ったらみんなで遊びに行きますね」(42条・43条)
「加盟国は要請されればすぐに割けるだけの空軍を用意しておきなさい」(第45条)

こうやって抑止力といざとなったときの実行力を備えてるんですね。
全会一致原則で「みんなではなs(ry」とかやってた国際連盟は大失敗しましたからね。

左翼は(週刊金曜日のではなく)本当の世界の常識を学ぼう!