端的に言うと,もちろんある。
でもそんな単純な話じゃない。
今朝の「日経PLUS1」(土曜付録)の,
小さい子向けニュース解説が「ゴールドの価格上昇」についてだった。
そこから着想を得た。
今日のお話に出てくる【金】は「カネ」「gold」と分記します。
goldってなんで価値があるの?
それはね…年間の産出量が少なく一定で,さびず,ずっと綺麗だから。
そして昔は「兌換紙幣」といって,カネはgoldや銀との引換券としての役割があった。
つまり,カネの本質的な価値は,goldや銀にあるのだ,と。
1.カネ=gold
2.gold=価値がある
つまり,
カネ=価値がある
という論理が成り立つわけですね(文系的正しい数学の使い方)。
でもね,今,どこの国もgoldとの一定率での交換を約束していないでしょう?
この時点で,
さっきの
1.カネ=goldが成り立たなくなるわけです。
ちなみに,
2.gold=価値がある
こちらも大変不思議。
「年間の産出量が少なく一定で,さびず,ずっと綺麗」だとなぜ価値があるのか?
真珠やダイヤの年間産出量は知らないけど,それらでもよくない?
goldなんて食えないし。使えないし。
そもそも大昔,貝殻をカネ代わりに使っていたわけだし。
でもカネにgoldも,価値あるじゃん(・ε・)
カネには
・価値の貯蔵
・価値の尺度
・交換の媒体
これらの機能がある。
要するに,これらが満たされていればgoldだろうが銀だろうが,紙切れだろうが貝殻だろうが,なんでも良いのです。
つまり,
「何か上の役割を果たせる物がないと困るよね。
便宜上,goldやカネを上記の役割を果たすための道具としよう」
そうして,
「goldやカネを持って行けば,みんなが自分の欲しい物と交換してくれる」
から,価値が発生するのです。
決してgoldやカネ自体に価値があるわけではございません。
【追補資料】
例えば,
goldが100gと,米が100gしか存在しない世の中を考えてみる。
単純に考えれば交換比率は
gold:米=1:1
つまり,goldを1g持って行けば,米1gと交換してもらえる。
そこで王様は考えました。
「goldを新しくいっぱい採掘すれば,俺の財産減らすことなく,米がいっぱいもらえるんじゃね?」
金(gold/カネ)が交換のための道具でそれ自体が価値を持たないのなら,
goldをいっぱい採掘したら,gold1gと交換できる物の量は少なくなってしまう。
それを理解しない王様は,新たにgoldを100g採掘させた。
するとどうなるか
goldが200gと米100gで釣り合わせるには
gold:米=2:1
つまり,goldを2g持って行かないと米1gもらえなくなった。
要するに,「ハイパーインフレ」ですね。物価が2倍に跳ね上がったわけですから。
……昔,スペインの王家がこれに近いことをやらかしたから困る(当時は銀だったが)。
(ファーガソン 2009, pp.39-40)
「施政者が頭悪いと,苦労するの国民だよね(´・ω・`)」って先生と話しておりましたw
【参考資料】
ニーアル・ファーガソン(2009)『マネーの進化史』,早川書房
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